[秋の色彩]  -菊・もみじ-

秋の色彩 -菊・もみじ-

秋は彩の季節です。澄んだ空に、木の葉や木の実の色彩が映え、自然が放つ生命の輝きが感じられます。
ここでは、代表的な秋の彩である、菊ともみじについてご紹介します。

菊-長寿、品格の象徴

長寿、品格の象徴

秋の深まるこの時期、野山は鮮やかな菊の花に彩られます。
奈良時代に中国より渡来した菊の花は、古くから品のある姿と香りが好まれてきました。

中国の故事には、穆王(ぼくおう)の侍童である菊慈童(きくじどう)が菊の葉から滴る露を飲み、不老不死の仙人となったと記されています。また、西魏の文帝は菊を浸した酒を飲んで、長寿を得たといわれています。これらの伝説から、菊は長寿をもたらすおめでたい花とされ、千代見草・齢草(よわいぐさ)等とも呼ばれてきました。

また、中国の代表的な隠遁詩人である陶淵明(とうえんめい)に愛されたことから「世に隠れた上品かつ静かな様」を表す意味を与えられ、梅(高潔)・蘭(清逸)・竹(節操)と共に君子に求められる人格を象徴する四種の草木「四君子」の中に数えられています。

もみじ-季節と共に移り変わる姿

もみじ季節と共に移り変わる姿

もみじは赤や黄色に色づく木々の総称であるとともに、特に紅葉が見事な楓の異称です。

その美しさは、古く『万葉集』や『源氏物語』でも称えられ、室町時代には貴族の間で遠くの野山にもみじを愛でに行く「もみじ狩り」が盛んに行われました。
江戸期以降、もみじ狩りは庶民の間に広がります。現代の花見と同じ様に、木の下で弁当を広げ、華やかに宴が繰り広げられた様です。
伊勢神社にお参りする「伊勢講」、「おかげ参り」の道筋に合せて紅葉の名所を紹介する案内本も出版され、人々が名所にこぞって押し寄せたという事からも、当時の人気ぶりが伺えます。

秋が深まるにつれて、刻々と艶やかさを増すもみじ。
やがて冬が近き、絢爛かつ潔く、地に返ってゆく姿にも禅の美学が重ねられます。

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